6月9日は何に陽(ひ)が当たったか?

1984年6月9日は、アメリカのプログレッシブ・ロック・グループ、Styx(スティクス)の2枚組ライブ盤、”Caught in The Act(邦題:コート・イン・ザ・アクト・ライブ)”からの先行シングル”Music Time“が、Billboard HOT100シングルチャートで2週目の40位を記録した日です。スティクスにとって、ギタリストのTommy Shaw(トミー・ショウ。gtr,vo)が在籍した最後のトップ40シングルとなりました。
1975年に大手レコード・レーベル、A&Mに移籍後、Styxはリリースするアルバムごとに勢いが増し、1981年には10作目のスタジオ・アルバム、”Paradise Theatre(邦題:パラダイス・シアター)”で念願の全米制覇を成し遂げました(Billboard200アルバムチャート)。1983年の次作”Kilroy Was Here(邦題:ミスター・ロボット)”においても全米3位、2曲のトップ10ヒットを生み、順風満帆な活動であると思われました。
当時Styxの中心人物であったDennis DeYoung(デニス・デヤング。vo,key)が作った”Music Time“は、”Hey everybody, it’s music time!”で始まる非常に軽快でポップなロックンロール・ナンバーで、プロモーション・ビデオもコミカルに作られました。そのビデオが公開される前に、Styxの人気ギタリストで、”Boat on The River”、”Renegade” 、”Fooling Yourself”といったの大ヒット曲を歌ってきたトミーがStyxを脱退してしまいました。当時の脱退理由の一つとして浮かび上がった説に、制作されたこのプロモーション・ビデオに問題があったとされました。
“Music Time”のビデオは、トミーを除いたメンバー4人が中心となって出演し、トミーが目立つはずのギター・ソロシーンでは、ビデオでは首から下しか映されておらず、そのギタリストもトミーかどうか分からないような作品に仕上がっていました。トミーが出演しない不自然ながらも、ブラウン管に登場したプロモーション・ビデオは、いろいろ憶測が飛び交い、結局トミーのStyx脱退を印象づけるビデオとなってしまいました(曲のエンディングで笑顔で旗を振っているトミーらしき姿が一瞬映りますが、明らかにメンバーと一緒に撮影した感のない不自然なカットでした)。
この背景には、プロモーション・ビデオはロスアンゼルスで撮影されましたが、トミーはソロアルバムをニューヨークで制作中であったため、メンバーとは別撮りを考えていたこと、ビデオに出てくる、レストランでメンバー4人が置かれた料理と一緒に首だけ出すコミカルなシーンの出演をトミーが拒否したことなど、諸説あるそうで真実には至っておりませんが、トミーおよびStyxのファンである個人の私見ですが、頻繁にMTVで流すビデオでのギター・プレイに首が出ずに、悪ノリ部分で首を出すとなると、ミュージシャンにしてはかなり辛いとは思いますが、当時の状況や心境抜きでは語れない内容であることは間違いございません。いろいろな事情があったと思います。
さて、この”Music Time“は、1984年5月5日に68位でエントリーし、その後56位→44位→41位と上昇しましたが、6月2日付でワンアップのみの40位でトップ40入りを果たしたものの、陽の当たった6月9日も2週目の40位で、このランクをピークに56位→75位→100位と、ファースト・カット・シングルとしてはわずか9週のチャートインでした。これを収録した”Caught in The Act“は、Billboard200アルバムチャートに15週間チャートインし、5月19日付で31位を記録しました。
トミー・ショウは、1995年にメンバーに復帰、現在はバンドの中心となって、現役で活動中です。

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