8月3日は何に陽(ひ)が当たったか?

1984年8月3日は、アメリカのロック/ニュー・ウェイヴ・グループ、The Cars(ザ・カーズ)のシングル、”Drive(ドライブ)”がBillboard HOT100シングルチャートで51位に初登場した日です。同時に翌4日にはBillboardのメインストリームロックチャート(当時はTop Rock Tracks)で最高3位を記録しました。
当時のメンバーはRic Ocasek(リック・オケイセック。vo,gtr,key)、Benjamin Orr(ベンジャミン・オール。vo,bass。2000没)、Elliot Easton(エリオット・イーストン。gtr)、Greg Hawkes(グレッグ・ホークス。key)、そしてDavid Robinson(デヴィッド・ロビンソン。drums)の5人組で、1978年のデビュー作”The Cars(邦題:錯乱のドライブ)”から4作連続でプラチナディスクに認定、前作”Shake It Up(邦題:シェイク・イット・アップ)”ではタイトル曲”Shake It Up(邦題:シェイク・イット・アップ)”にして、グループ初のHOT100シングルチャートTop10入りを果たしました(4位)。
1984年5月、5作目としてリリースされた”Heartbeat City(邦題:ハートビート・シティ)“も順調な滑り出しで、先行シングル”You Might Think(邦題:ユー・マイト・シンク)”はHOT100で7位を記録、Top Rock Tracksでは堂々の1位を記録、セカンド・シングルの”Magic(邦題:マジック)”はHOT100で12位、Top Rock Tracksで2作連続の1位に輝きました。さらに”You Might Think”ではプロモーション・ビデオが大いに評価され、MTVでの1984 MTV Video Music AwardsではMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の”Thriller(邦題:スリラー)”、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)の”Rockit(邦題:ロックイット)”、Cyndi Lauper(シンディー・ローパー)の”Girls Just Want to Have Fun(邦題:ハイスクールはダンステリア)”、The Police(ポリス)の”Every Breath You Take)(邦題:見つめていたい)”といった強力なノミネートをはねのけて、この年のVideo of the Yearに輝き(そのビデオがこちらYouTubeより)、シングルリリースと同時に、”ビデオと言えばカーズ”と言えるほどの大きな期待が寄せられたものでした。
さて、”You Might Think”、”Magic”ともリックがヴォーカルを取っておりましたが、第3弾シングルとしてリリースされたこの”Drive“は、ベンジャミンがヴォーカルを取ったナンバーです。ひねりの効いたリックのヴォーカルに対し、ソフトなベンジャミンのヴォーカルでさらなる勝負をかけました。カーズの音楽は、シンセサイザーの採り入れた楽曲はこれまでも多く見受けられましたが、本アルバムでは全体的には一段とポップ性が強まっており、特にミドルテンポの”Drive”ではギター音はやや抑えられて、ゆったりと流れるシンセサイザーによってより耳に馴染みやすく、表現は緩いですが、どこか可愛さも感じられるラブ・ソングに仕上がっています。
“Who’s gonna ~”と、ひたすら恋仲だった女性に対して気にかけ、嫉妬の念を抱きながらも、今でも彼女にふさわしいのは自分なのにと、次第に遠のいていく恋人を想う内容にもとれる歌詞を、ベンジャミンが優しく歌い上げます。カーズがこれまでリリースした楽曲の中でも一段とポップになったこの曲は、陽の当たった1984年8月4日付で51位にエントリー後、2週目で34位とTop40入りを果たし、続いて27位→18位→14位と順調にアップし、6週目で10位に入りました。そして7位→5位と上がり、9月29日付けで3週続けて3位を記録し、このあと下降、19週チャートインしました。51位にエントリーした翌日はTop Rock Tracksではすでに最高位となる3位を記録しました。ロック風ではなかったためか、”You Might Think”、”Magic”に続く1位にはなりませんでしたが、6月30日付で9位にTop10入りした後、6位→7位→5位→4位→3位(8月4日付)→4位→3位(8月18日付)→4位→4位→3位(9月8日付)→5位→9位と実に13週もTop10内にとどまり、断続的ではありますが、このチャートでも3週3位を記録しました(結果21週チャートイン)。結果的にはカーズのシングルでは最高のヒットとなり、彼らの代表曲となったのです。
現在のリック・オケイセックの妻Paulina Porizkovaは、”Drive”のプロモーション・ビデオでリックと恋人役で共演しました。ビデオは歌詞内容に忠実に再現した作風に仕上がっており、Paulinaの可憐な演技も印象的でした(ビデオはこちらYouTubeより)。ベンジャミンは2000年に亡くなりましたが、彼の遺志は10年の時を経て、オリジナルメンバーによる再結成(2010年)にて立派に引き継いでいます。

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