6月2日は何に陽(ひ)が当たったか?
1984年6月2日は、アメリカ・サンフランシスコのポップ・ロック・グループ、Huey Lewis and the News(ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース)のシングル、”The Heart of Rock & Roll(邦題:ハート・オブ・ロックンロール)”が同年同月同日付けのBillboard HOT100シングルチャートでトップ10入りを果たした日です。次の週より最高位6位を4週連続で記録しました。
1983年9月にリリースされた3枚目のスタジオ・アルバム”Sports“からの3枚目のシングル・カットで、2枚目のシングル”I Want a New Drug(邦題:アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ)”が6位をピークに下降をたどる中、1984年4月21日に51位というハイポジションでエントリーを果たしました。
アルバム・ヴァージョンは5分という長さながらも、サックスやハーモニカのソロが入ったノリの良いロックンロール・ナンバーで、長く感じさせず、飽きさせないポップな仕上がりとなっています。シングルでは1分ほど削られたヴァージョンでリリースされました。プロモーション・ビデオでは、演奏シーンはモノクロのライブ感覚で楽しめ、バスでの移動シーンや大都会を歩くシーン、パンクのライブでバンドメンバーが口を開けて唖然としているシーン、曲のイントロと最後に登場する心臓の鼓動音が、ビデオの最後にてヒューイの胸元から出てくるシーンなど、終始コミカルな演出で楽しませてくれます。
“The Heart of Rock & Roll”は翌週にはトップ40入りし(40位)、その後32位→27位→21位→13位と順調にアップ、エントリーから7週目で陽の当たった6月2日、8位にランクされます。そして翌週9日より、実に4週間6位を記録し、その後は下降していきました。ちなみに前述の通り”I Want a New Drug”も6位止まりでしたが、この曲は2週間とどまりました。
1984年の年間シングルチャート(Billboard Year-End Hot 100 singles of 1984)において、”The Heart of Rock & Roll”は44位、”I Want a New Drug”は55位でした。実は”The Heart of Rock & Roll”の次にリリースされたシングル”If This Is It(邦題:いつも夢見て)”も2週続けて6位に終わり(年間64位)、6位の壁が突き破れませんでしたが、この人気の積み重ねが1985年に見事に結実、映画”Back to the Future(邦題:バック・トゥ・ザ・フューチャー)”のサウンドトラックに収録された”The Power of Love(邦題:パワー・オブ・ラブ)”が6位の壁はおろか、見事に1位を獲得して、アメリカン・ロックにおける不動の地位を確立するのでありました。
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