10月5日は何に陽(ひ)が当たったか?

1789年10月5日は、フランス革命勃発後、パリ市民がヴェルサイユ宮殿まで押し寄せる十月事件が起こった日です。
1789年7月14日のいわゆるバスティーユ襲撃によって、フランス革命は勃発しました。自由と平等の原理をかかげたアメリカ独立宣言やルソー(1712~78)の思想に刺激を受けた国民議会は、自由主義派貴族のラファイエット(1757~1834)らの起草で、8月26日「人権宣言(「人間と市民の権利の宣言」)」が誕生、採択されました。革命の基本原理となったこの宣言は、人間の自由と平等、国民主権、法の支配、権力分立、そして私有財産の不可侵などが挙げられました。
しかし、フランス国王ルイ16世(王位1774-92)は、この宣言を認めようとはせず、議会弾圧を企図しました。重ねて凶作による食糧事情が悪化傾向をたどっていたパリでは、パンなどの食糧価格高騰は以前続いていました。政情不安から穀物がパリに搬入されなくなり、市民の怒りは頂点に達しました。遂に陽の当たった10月5日、婦人を先頭に数千人のパリ市民が雨の中20kmを行進し、ヴェルサイユ宮殿に乱入、翌6日、国王一家をパリへ連行しました。これがヴェルサイユ行進十月事件です。ルイ16世国王一家はヴェルサイユ宮殿からパリ市内のテュイルリー宮殿に移ることになり、パリ市民の監視を向けられた生活を余儀なくされます。国民議会もヴェルサイユからパリへ移り、政局の中心はパリとなっていきます。
引用文献『世界史の目 第14話』より

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