5月20日は何に陽(ひ)が当たったか？

　1873年5月20日、企業家リーヴァイ・ストラウス(1829-1902)らによってリベット補強済みパンツの特許が受理された日です。つまりこれが、現在のジーンズの濫觴とされる出来事です。
　1853年、リーヴァイ・ストラウスはカリフォルニアで会社「リーヴァイ・ストラウス＆カンパニー」を設立して織物や衣料などを卸していました。折しもカリフォルニア・ゴールド・ラッシュの時代にあたり、金鉱を求めて多くの鉱山労働者がカリフォルニアに来ました。リーヴァイ・ストラウスは彼らの為に、厚手の帆布を素材に鉱山労働用の衣料を販売店に卸しました。
　リーヴァイ・ストラウスは、お得意様の一人で洋服店の店主である、ジェイコブ・W･デイヴィス(1831–1908)から提案を受けました。デイヴィスはリーヴァイ・ストラウス社から購入した帆布で鉱山労働者用の作業ズボンを仕立てていましたが、鉱山労働者の身に付ける作業用ズボンはポケットなどがすぐに擦り切れてしまいます。
　このためデイヴィスは、擦り切れ防止用としてポケットの両端に銅製のリベットで補強した作業ズボンを作ってみたところ、鉱山労働者に好評ですぐに売り切れてしまいました。そこでリベット補強したズボンを特許取得したいのだが、資金不足のため、リーヴァイ・ストラウス社に協力してくれないかという提案でした。
　リーヴァイ・ストラウス社は協力を受け入れ、デイヴィスと協同して特許を申請し(特許申請した図案がこちら。wikipediaより)、陽の当たった1873年5月20日に特許は受理されて、リベット補強ズボンをリーヴァイ・ストラウス社が販売することになりました。これがジーンズの始まりとされています。その後生地はインディゴで染めたデニム地が使用されていき、ブルージーンズとして知られるようになっていきました。