4月13日は何に陽(ひ)が当たったか?

 1598年4月13日、フランス・ブルボン王朝の初代国王、アンリ4世(1589-1610)がナントの勅令を発した日です。
 前王朝のヴァロワ朝の晩期はカトリック国フランスにとって正念場でした。宗教改革によってフランスにも吹き荒れたカルヴァン派のプロテスタントでユグノーと呼ばれた新教徒の旋風はやがて王室を巻き込んだ新旧両教徒の大戦争へと発展し(ユグノー戦争。1562-98)、そのさなかにヴァロワ朝の最後の国王であったアンリ3世は暗殺されます。ユグノーだったブルボン家のナヴァル王アンリ(これが後のアンリ4世)が断絶したヴァロワ家の後を受けて1589年ブルボン朝を開基、アンリ4世として初代国王に即位します。しかしユグノー戦争はまだ続いているため、終息措置としてアンリ4世は旧教であるカトリックに改宗して国内の新旧両教徒の融和をはかりました。そして陽が当たった1598年4月13日、アンリ4世はフランス西部のナントで勅令を出し、新教のユグノー教徒に旧教であるカトリック教徒と同等の権限を与えました。これがナントの勅令です。西ヨーロッパではじめて打ち出された信仰の自由を制限付きではあるものの国王によって承認されたことで、ついにユグノー戦争は終了したのです。そして、アンリ4世に始まるブルボン朝は、その後、絶対王政の時代へと突入していくのでした。
 参考文献:「世界史の目 第7話

アンリ四世 自由を求めた王 [ フランソワ・バイルー ]

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