4月19日は何に陽(ひ)が当たったか？
4月19日は、1881年の同月同日に没したイギリスの元首相、ベンジャミン・ディズレーリ（任1868,74-80）の忌日であり、プリムローズ・デーと呼ばれます。プリムローズ(サクラソウ)を殊の外気に入っていたディズレーリに、その花束を贈っていたのがヴィクトリア女王でありました。
ヴィクトリア女王が君臨する治世下、第2次ディズレーリ内閣では帝国主義政策を推進しました。1875年、イギリス政府は外債償還に苦しむエジプトの財政難に乗じ、スエズ運河株を保有するエジプトに迫りました。株式保有をあきらめたエジプト政府は遂にスエズ運河のエジプトの持株44%をイギリスに売却します(その後エジプトを保護国化。1882年)。
またオスマン帝国へのロシア南下政策(いわゆる東方問題)に関わる外政では、ロシアが南方のバルカン半島やオスマン帝国領域に進出しようとしていたことで、イギリスはロシアを要警戒していました。ロシアが南下する際に障壁となっていたオスマン帝国を露土戦争(1877-78)で勝利し、サン･ステファノ条約でロシアの南下政策を有利に持ち込むことができたものの、誠実な仲介人であるドイツ帝国宰相ビスマルクの提唱でベルリン会議(1878)が開かれ、ロシアの南下政策を阻止させることに成功、しかもイギリスはキプロス島を租借することができました。
外交政策を有利に導いた後、1883年の陽が当たった4月19日、ディズレーリ像の除幕式が行われたのを契機に、毎年のこの日はプリムローズを飾る記念日となりました。
参考文献「世界史の目 第８８話」
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