2月19日は何に陽(ひ)が当たったか?
1972年2月19日は、英米混合のロック・トリオ、America(アメリカ)のデビューシングル、”A Horse with No Name(邦題:名前のない馬)”がBillboard Hot100シングル・チャート84位に初登場した日です。現在においても色褪せないフォーク・ロックの名曲です。
グループ名は”America”ですが、メンバーのDewey Bunnell(デューイ・バネル。gtr,vo)はイギリスのハロゲイト出身、Dan Peek(ダン・ピーク。1950-2011vo,gtrmkey,bass)はフロリダのパナマシティ出身、Gerry Beckley(ジェリー・ベックリー。vo,gtrmkey,bass)はテキサス出身と、英米混合で構成され、イギリスのロンドンで結成されました。3人とも父親は駐英米軍で、母がイギリス人、ロンドンにあるアメリカン・ハイスクール出身です。1971年12月、グループ名を冠した”America“でデビューしました。
Dewey Bunnell作で、リード・ヴォーカルも彼がとる”A Horse with No Name“は、実はデビュー作”America”には収録されておらず、新人ということもあり、アルバムの売れ行きはよくありませんでした。そこで、アルバム未収録の”A Horse with No Name”をシングルとしてリリースしたところ、バンド名と曲調と当時の流行サウンドとが相まって知名度が上昇し、急遽このナンバーをアルバムのA面5曲目に収録し、再リリースすることになりました(“America“。アルバム邦題:名前のない馬)。
“A Horse with No Name”はおおよそ2コードのアコースティック・サウンドで、淡々と進んでいきます。歌詞内容に「名前のない馬にまたがり砂漠を横断する」とありますが、もともとこの曲は”Desert Song(=砂漠の歌)”というタイトルでした。それは、Dewey Bunnellが幼少期に父がカリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地在駐だった頃があり、そこで砂漠を渡った記憶がベースになっているといわれています。メディアでは”horse”が薬物の隠語であったことで話題を集め、一部放送禁止となる局も出たりしましたが、チャートの上ではこの上ないアクションを見せたのです。
陽の当たった1972年2月19日付HOT100に84位にエントリーしたこの曲は翌週47位、3週目でさらにジャンプアップして20位に駆け上がり、Top40入りはおろか、いっきにTop20入りを果たしたのです。すると4週目でTop10入りとなる7位、5週目で2位、そして6週目の3月25日付で1位に輝き、3週間キープしました。
その後は後退しましたが(2位→4位→5位→6位→10位→20位)、14週間のチャートインの中で、Top10内10週とどまるという異例の大ヒットとなり、1972年のBillboard Year-Endチャートで100以内27位を獲得しました。
アメリカ以外においてもAmericaの健闘ぶりが目立ちました。カナダRPMシングル・チャート1位、オーストラリアのKent Music シングル・チャート2位、本国イギリスUKシングル・チャート3位、フィンランドのシングルチャートも1位を記録しました。アルバム”America”も1位を記録し、華々しいデビューとなりました。
見事な功績によって、Americaは1973年の15th Grammy AwardsではBest New Artistを受賞しました。
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