3月18日は何に陽(ひ)が当たったか?

 235年3月18日は、ローマ帝国(B.C.27-A.D.395)の第24代皇帝アレクサンデル・セウェルス帝(帝位208-35)が暗殺され、セウェルス朝(193-235)が終わった日です。
 セウェルス朝は、セプティミウス・セウェルス帝(帝位193-211)より始まりました。セプティミウス・セウェルス帝没後、彼の息子で領内の全自由民にローマ市民権を与えるという、いわゆるアントニヌス法(212)を発布したカラカラ帝(帝位209-17)と、その弟ゲタ帝(帝位209-11)が共同統治として続きました。
 しかし政局は安定せず、ゲタ帝は211年、兄カラカラ帝により暗殺、カラカラ帝も217年に護衛兵に暗殺されました。カラカラには継承者がなく、一時的にセウェルス朝は断絶し、騎士階級(エクイテス)出身のマクリヌス(帝位217-18)およびその息子に帝位を簒奪されますが、218年よりセプティミウス・セウェルスの義姉の孫エラガバルス帝(ヘリオガバルス。帝位218-222)が即位してセウェルス朝を復帰させます。
 しかしエラガバルス帝の治世でも悪政が続き、彼自身も性に溺れるなどして人心を失い、反乱軍により処刑されました(222年)。
 エラガバルス帝の従弟にあたるのがセウェルス朝最後の皇帝であるアレクサンデル・セウェルス帝(帝位208-35)で、エラガバルス帝没後に即位しました。アレクサンデル・セウェルス帝はこれまでの悪化した帝政を正常化させようとしましたが、235年3月18日、帝位簒奪を狙うバルカン半島南東部(トラキア)出身の軍人マクシミヌス・トラクス(173?-238)に暗殺され、セウェルス朝は終焉を迎えました。
 帝位を奪ったマクシミヌス・トラクスはローマ皇帝に即位し(帝位235-38)、284年までの約50年間、各地の軍団が統治権を掌握する、世に言う軍人皇帝時代が到来し、ローマ帝国は”3世紀の危機“を迎えることになるのでした。

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